課外活動サバイバルメソッド3
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「校長」を名乗る謎の存在によって閉鎖空間となりゾンビ同然の元級友たちが蠢く広大な学園の中、与えられた異能を駆使して この命懸けのゲームを生き残ろうとする少年少女たちの血みどろ物語・第三弾 物語は放送室の屋上に作られた野菜畑で作物の手入れをしていた猫啼・凛・マナミリィの三人が「首割れ」対策で植物を自在に操るマナメリィの能力で 張り巡らせた蔦をまたいで近付いてくる存在に気付く場面から始まる。屋上から侵入者の顔を確認した三人は相手がかつて枯山水乃愛対策で自分たちを 罠に嵌めようとした刃桜真百合である事に気付く。先手を打って真百合を取り囲んで詰問しようとした凛たちだったが、明らかに以前と違う真百合の雰囲気に 違和感を感じた瞬間、メスが飛んでくる。どんなカラクリか理解できないままに相手の正体が枯山水乃愛だと気付いた凛はかつて乃愛から奪った EC増幅器で自分の格闘能力「殴打娘々」をパワーアップさせて交戦するが、それでも互角の戦闘力を見せ付ける乃愛を押し切るべく猫啼と接吻して 精気を借り受け更なるパワーアップを図るが増幅された能力で生命維持に必要な分の精気まで吸い取られた猫啼が昏倒。撤退した凛たちは第七保健室で 幸也や夜子と合流。自分のミスで猫啼を危険に晒した事で落ち込む凛を励ます幸也たちだったが、部屋の外に羽音がしたと思った瞬間窓の向こうから 伸びてきた西洋剣が凛の胸を貫く。襲撃者の正体は以前、幸也たちに敗れ乃愛に首を刎ねられた界人の姉・練亜と幼馴染・一春だった。戦闘力のある 凛が一撃で倒され、練亜の剣術の前に窮地に陥る幸也だったが、追い打ちをかけるかの如く乃愛までその場に出現し絶体絶命の状況に。更にそこへ 現れたのは枯山水乃愛の死体を先頭にした「首割れ」とは明らかに別種の動く死体の集団。練亜と乃愛の意識がそちらに向けられた一瞬を突き脱出を 図った幸也たちだったが、意識の無い猫啼を死体たちに連れ去られてしまう… 通常、物語というのは冒頭ではスローペースで入り、次第に盛り上がっていくというのが常道なのだろうけどこの一冊は違う。最初からフルスピードで ぶっ飛ばすというある種の掟破りの展開。蘇った殺人鬼・枯山水乃愛一人でもヤバいのに幸也に最愛の弟の仇と復讐心を滾らせる超剣士・練亜、 更には新登場の死体を自在に操る女子学生・隠岐陽花とその妹の氷花、前巻で幸也たちを大ピンチに陥れた三番子犬まで現れるという全方位が敵、 それも一人現れただけでも大ピンチな相手がまとめて襲いかかってくるという普通なら「これもう詰んでいるだろ」と諦めて全てを投げ出す様な展開に 序盤から一気に引きこまれた 物語の方はこのどっちを向いても絶望しか転がっていない状況の中、目的の見えない隠岐陽花に連れ去られた先輩・武田猫啼を救出するのが 主人公である幸也たちに突き付けられるミッションとなって展開される。今回登場する新キャラの陽花には隠された目的があるのだけれども、 最後の最後で明かされるその「目的」を達成する為に見せる陽花の「まあ、えげつない」と眉を顰めたくなる様な性格や手口の凶悪さ・性格の悪さが 光っている。連れ去られた猫啼が自分の要求を飲まないと見るや「あんた、死体に犯されて喜ぶ趣味ってある?」と最悪の貞操の危機をチラつかせたり、 幸也たちに自分のメッセージを伝える為に幸也たちが助ける事が出来ず埋葬するしかなかった少女の亡骸を弄んでメッセンジャーに使うなど 久しぶりに真っ黒なキャラを堪能させて貰った もともと閉鎖空間となった学園の中を「首割れ」というゾンビもどきが蠢いているのがこの作品における舞台設定の一つとしてあるのだけど、 それまで活躍していたキャラがあっという間に無残な死体となるというもう一つの特徴(水瀬葉月作品だから当然こうなるのだけれども)を 活かして陽花のネクロマンサー的能力を最後の最後で「うわ、ここまでやるか」ととあるキャラの死体を最悪の形で使うあたり、今回のテーマの一つが 「死の理解」であり、「人の死」をどう捉え、どう理解するかで残された生者が選択する「その後の生き方」が全く変わってくるという事が 「認めたくない死」を突き付けられた幸也の暴走や一巻で死んだ弟・界人の「死」の意味を覆された練亜の行動を通じて描かれ、「死」が持つ意味を 徹底的に掘り下げてある。 惜しまれるのは最初から最後までずっとシリアスモードで、これまで深刻になりがちな物語世界でコメディリリーフとして活躍してきた双六・秋津穂の おちゃらけコンビや前巻ラストで物語のキーとなりそうなキャラクターであるヘムを連れ出した羽影とりリスのコンビが全く出番が無かった事である 「うーん、今回最初からトップスピードで話を展開させたし、こういうキャラを出す余裕が無かったのかな~?」とちょっと残念に思った 陽花が最終目的のトリガーとして使った冒涜的な手段で遂に「戻れない橋」を渡ってしまった幸也がかつて自分が憧れ・恋心を抱いていた 養護教諭の「友利ねえちゃん」から「全てを救う」という途方も無い目標を言い渡され、これまでの「目の前で起きている事態に振り回されるだけの存在」から 「明確な目標を持ち、能動的な主人公」へと終盤で化けた事で、話は一気に面白くなってきた。上にも書いた様に今回出番が無かったキャラや 未だに真の目的が明かされない「校長」や謎の少女ヘムの正体も含めて今後どうなるのか非常に気になる所。大いに盛り上がって来た一冊だった ( 本 文 を 読 み 終 わ り 、 後 書 き を 読 む ) ………………………………………………………………え?「第一部完」ってどういう事~~~~~??? | ||||
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