ペキン・ダック
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私立探偵の主人公が共産主義の中国旅行に誘われ・・・というお話。 カウンター・カルチャーの申し子っぽい私立探偵がこの小説が書かれた当時の共産圏に期待して行って、実情を知り、幻滅する・・・という感じの小説に思えましたが違うかも。この頃アメリカの大統領だったニクソンがウォーターゲート事件で失脚しながらも、泥沼化していたベトナム戦争を何とか和解に持ち込み終結させ、中国との関係も修復して功績があったそうですが、日本と中国との関係改善にも介入して、おかげで日本でもパンダが見られる様になったとか、そういう時代を反映した私立探偵小説に思えました。 日本だけではなく、色々な国や地域でも新しい思潮やパラダイムがミーハーっぽく流行る事は歴史を見るとよくある事ですが、一時期の共産主義もかなり流行って、戦後の日本でも共産主義が躍進したり、欧米の音楽でも素直に共産主義に憧れた歌詞の歌があったり、毛沢東主席とツーショットの写真をジャケットにしたりするアーティストもいましたが、その後はご存知の通り、20世紀最大の失敗に共産主義が挙げられたりと、あまりうまく行かなかった様ですが、共産主義の場合、全員が同じ目的で物を考えたり、行動しないといけないという事で、元々無理がある考え方に見えるので、始めから失敗すると予測した人も多かったのではないかと思いますが(ジョージ・オーウェルとか)、この著者も一人で行動するタイプの私立探偵を共産圏に送り込んで、集団で動かなければならないイデオロギーを批判的に眺める為にこの小説を書いた様に思えました。資本主義もあまりうまく行っているとは言い難いですが、共産主義よりはマシかもとか考えている人間なので。共産主義を信奉している人は怒るかもしれませんが、一意見として受け取ってください。すいません。 という様な個人的感想は抜きにしても異色のハードボイルドとして楽しめる小説だと思います。あまり長くないながらも内容の濃い作品に思えました。ある意味でネオ・ハードボイルドの分野の極北にも思えました。ブロック「八百万の死にざま」をネオ・ハードボイルドの最高傑作に据える事が多いですが、この小説もその次くらいにくるかも。物凄い大作ではないですが・・・。 私立探偵小説の道を拡げた感のある作品。是非ご一読を。 | ||||
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伯母ソニアの誘いを受けて私立探偵モウゼス・ワインは、米中友好調査旅行団のメンバー14人の中に加わり中国へと旅立った。旅行団の連中は、映画女優や大学教授に政治家など一癖も二癖もある奴ばかりだ。四人組弾劾で揺れる中国で当然のようにメンバーは災難に見舞われた。上海の街でチンピラに襲われそうになったり、そして北京では見学した紫禁城から秘法<漢朝の鴨>が盗まれたと告発を受けたのだ。メンバー同士が疑心暗鬼する中、探偵であるということでワインはこの事件を調査するように任命される。帰国も許されずホテルの部屋に拘束されるメンバー達。ワインは中国の美人通訳のリューと共に異文化の中国に対して果敢に挑む。それは個人主義のアメリカ人の目から見る共産主義への対立も含んでいた。 物語の前半までは賑やかなメンバーによる中国での珍道中。不可解な事件が相次ぎ、モウゼス・ワインの活躍が始まる。このワインのキャラクターがなかなかの絶妙な味わいを持っていて面白い。ちょっととぼけていて、周りにも自分自身に対しても強烈なアイロニーを持っている。中国人の青年たちのデモの真ん中で、「四人組万歳!」とやけくそになって叫ぶところなど最高だ。 | ||||
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