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yoshiki56 さんのレビュー一覧
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まずプロローグから意味深というか謎を持ってくる。個人名が書かれていないところで、「また騙そうとしてるな!」と思った読者は多いはず。
そして本編が昭和63年から始まるところで猛烈な違和感が発生。
各章の冒頭で書かれる日誌にも注目だ。
これを読むと大体その章のあらすじが分かってしまうので、何でこんなの書くんだろうと思った読者はこれも多いはず。
これまた謎の✖✖✖が後半になって驚きの意味を持っていたことが分かってくる。
そして内容が警察小説でありながらほとんど極道小説であり、これを女性作家が書くところが素晴らしい。
生半可な知識ではここまで極道の世界を描くことはできなかったはず。これは著者の並々ならぬ努力の賜物である。
登場人物も色鮮やか。
悪徳刑事の大上と新任刑事で大上の部下の日岡、それから紅一点の昌子。映画では大上役を役所広司が熱演してはまっていた。
ヤクザ界でも意外に人情味深い人達が多く、尾谷組の一之瀬なんて本当にいい人間だ。
最後に言っておきたいのが、この物語のキーアイテムは文庫の表紙にも描かれているジッポだ。
特に最後のエピローグなんて本当に泣けてしまった。
プロローグの謎、日誌の✖✖✖、ヤクザ同士の抗争、悪徳デカ大上の立ち回り、日岡の逆襲、ジッポの温かみ、エピローグで点が線になった時の感動。
とにかく全てが詰まりまくりの極上の1冊だったが、続きも出てしまった。まだまだ闘いは終わらない。