預言
評判
預言の評価:
3.75/5点 レビュー 4件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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で、読み始めると、なるほど、これが本当に社会派サスペンスか国際謀略小説かと見間違うような展開。17NとMEK、実在するふたつのテロ組織が手を結び、アメリカへの大規模テロ攻撃を計画する。作戦のコード・ネームは"ドラゴンの歯"、鍵を握るのは、若く美しい女性境界性人格障害者レイヴン。恐るべき計画の全貌は、ノストラダムスの預言の如き暗号詩として、その脳部にプログラミングされている。彼女を追うハンターは、911で愛児を失ったFBI捜査官&ギリシャ警察のテロ対策女捜査官。と、まぁ、いかにも通俗的なプロットが盛り込まれる。
アテネ、イラク、オハイオと、それぞれの思惑を描写しながら、追う者と追われる者のチェイスにページが割かれるが、悲しきかなキイスはこのジャンルの作家ではない。ギリシャ神話をモチーフにした暗号解読は造詣がない者にはとっつき難く、また、派手なアクションとしても、緻密なサスペンスとしても、背筋が凍るスリラーとしても、今ひとつの出来栄えだ。終盤に、ようやく彼が書きたかったテーマが露わになるが、これとて、読み手の心を打つような類のものではない。結局、エンタメ小説にも純文学にもなれなかった作品。
レイヴンに感情移入も愛しみも感じられないのが致命的と思えるが、マルクス・レーニン主義の信奉者にして敬虔なイスラム教徒、4000人もの軍隊を持ち、主導権は女性たちであると言うMEKの少佐ファーティマのキャラ像が面白かった。