天保の改革の煽りで料理茶屋「嵐山」までが営業停止に追い込まれた。

鬼子母神の祭りの夜、夏目影二郎の目の前で二人の武士が斬られた。背後には御三家に配された五家の陰謀がちらつく。

天保の改革の一環で贅沢が禁止されるなか、歌舞伎の名題役者、七代目市川團十郎が襲われた。

父・常磐豊後守秀信の影御用を務める夏目影二郎の前で巫女が襲われた。

夏目影二郎の元に、旧知の韮山代官・江川太郎左衛門からの依頼がきた。

江戸に衝撃が走った！上州の侠客、国定忠治が押し込み強盗を働いたのだ。

「二十三年も前、余がまいた種の芽を摘み採ってきてほしい」。影御用を務めてきた夏目影二郎に新たなる命が下る。

父である大目付の常磐豊後守秀信から珍しく伊豆の遍路旅に誘われた夏目影二郎。

江戸・三十間堀の小さな町道場が、怪しい証文を盾にした男たちから狙われている。

日本橋小伝馬町の牢から出された一人の男。名は夏目影二郎という。

寛政五年十月、江戸を見舞った大火事のあと、吉原に大勢の客が押し寄せる。

京の袋物問屋の隠居・又兵衛と知り合った空也は、大和国室生寺に向かう一行と同道することになった。

勘定奉行である父秀信の秘命を帯び、関八州に巣くう公儀の敵を倒してきた夏目影二郎。最後の始末旅より七年。

夏目影二郎の住む長屋に、国定忠治の使いという男が現われた。

深川蛤町の極楽島で、勘定所の役人が惨殺された。勘定奉行の父・常磐豊後守秀信から命を受けた夏目影二郎。

京の都。祇園感神院の西ノ御門前で空也は、往来の華やかさに圧倒されていた。

安芸広島城下で空也は、自らを狙う武者修行者、佐伯彦次郎の存在を知る。

将軍の御社参を前に緊迫する日光で、死んだはずの国定忠治が目撃された。

長く廓の用心棒であった神守幹次郎が吉原を率いる八代目頭取四郎兵衛に就任、御免色里の大改革が始まった。

吉原会所の裏同心神守幹次郎にして八代目頭取四郎兵衛は、九代目長吏頭に就任した十五歳の浅草弾左衛門に面会した。

玖珠山中に暮らす刀研ぎの名人「滝の親方」は、小籐次にそっくりだという。

数年にわたって修行の日々を過ごした西国を去ることに決め、福江島から船に乗り込んだ空也は、長州藩の萩城下に降り立った。

磐音は、関前藩留守居役の中居半蔵から、実父正睦が藩物産取引で不正を働いた疑いありと告げられる。

森藩藩主の命により、参勤交代に先行して国許の豊後国を訪れることになった小籐次。

吉原会所の頭取四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が脅威にさらされた。

江戸を離れ逃避行の末、磐音はおこんらと尾張名古屋に身を寄せた。

端午の節句のその日、大門前に立った男女。一年余の京での修業を終え、吉原に戻った神守幹次郎と加門麻であった。

大志を抱き切磋琢磨した友を喪い、豊後関前藩を出奔した坂崎磐音は、江戸・深川六間堀の長屋で浪々の日々を送る。

安永二年、深川の夏祭りをめぐって、地元の親分の間で起こった諍い。

武者修行中の嫡子・空也の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の高木麻衣から文が届く。

甲府勤番支配の任を解かれ、江戸へと還る速水左近。だが、その道中を狙う田沼一派が不穏な動きを見せる。

旅の空にある磐音らの無事を祈りながら暮らす江戸の面々。

吉原を過去最大の危機が襲う。会所頭取、四郎兵衛の無残な姿。

淀川を襲う激しい嵐から人々を救うため、来島水軍流・剣の舞を天に奉納する小籐次・駿太郎親子。

三年余にわたる流浪の旅の果て、坂崎磐音とおこんが、江戸に戻ってきた。

吉原で新たな太夫を客が選ぶ催しが行われることに。

かつて仕えた森藩の呼び出しに応じ、旧主・久留島通嘉と面会した小籐次は、思いがけず若き日の悪さ仲間だった松野藩藩主・松平保雅の窮地を救うよう依頼された。

豊後関前藩の若き武士３人が帰藩したその日に、互いを斬り合う窮地に陥る。

穏やかな新年を迎えた江戸深川に、引く手数多の浪人がひとり。坂崎磐音である。

吉原が遊女らの白無垢の衣装で彩られる八朔の日、当代きっての人気太夫・香瀬川が忽然と姿を消した。

一面銀世界の紀州姥捨の郷で、磐音とおこんは生まれたばかりの空也を抱き、束の間の安息を得た。

駿太郎が夏風邪をひいた。幸い大事には至らなかったが、そんな折、小籐次は公儀の筋から相談を持ちかけられる。

文政８年冬。

天明六年、将軍家治の逝去により、老中・田沼意次が失脚、吉原遊廓は閉門停止となった。

落馬で腰を痛め、息子との立ち合いでは不覚を取る。

高齢の四郎兵衛に代わり、廓を御する吉原会所の八代目頭取を誰が継ぐのか。

文政三年冬。小藤次とおりょうは、うづと太郎吉の仲人を務め終えると、水戸藩に新たな竹細工を伝授するため旅立った。

平戸を発ち、長崎へと辿り着いた空也は、島巡りの途中で出会った長崎会所の高木麻衣、奉行所の鵜飼寅吉と再会する。

坂崎磐音とおこんは危難に満ちた船旅を経て豊後関前藩へと辿り着く。母・照埜と念願の対面を果たすおこん。

おこんの慰労をという今津屋の心遣いで海晏寺まで紅葉狩りに出かけた磐音たち。

文政９年初夏。太平の世を謳歌する江戸では近頃、貧しい長屋に小銭が投げこまれるという奇妙な事件が続いていた。

年の瀬が迫り、次々と舞い込む研ぎ仕事を片付ける傍ら、小藤次は想いを交わすおりょうのため、芽柳一派旗揚げ新春歌会の設えに奔走する。

廓に上がらず、吉原で金を使わない地廻りと呼ばれる男の骸が切見世で見つかった。

夏を迎えた江戸深川。浪人、坂崎磐音の用心棒稼業は相も変わらぬ貧乏暇なし。

薩摩国の国境に近い牛ノ峠に、一人の武者修行の若者が辿り着く。

文政９年正月。今年こそは平穏な日々を送りたいと願う小籐次のもとに元日早々、藤藩の近習頭・池端が訪ねてくる。