密閉都市のトリニティ
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推理モノとしてのギミックについてはどうかと思う点もあるけれど、それはとても些末なこと。やばすぎる。 バイオテロで隔離された京都を舞台に人類学と性と進化と知性と人工知能とが絡み合う。著者は京都大学の現役教授らしく広範な知識に基づいたディティール、文章は物語に没頭させてくれる。ミステリーとしてもとてもおもしろく、良い意味であっと驚く展開が何カ所もある。ただし劇薬注意。18歳未満は性と暴力の描写がきついため読まない方がいいと思う。 23歳で読んで衝撃を受けたけど、40歳になってから読むとどういう印象を持つのか今から楽しみである。 性欲と恋愛の関係に興味がある人、京都好きな人、知性を考えたい人、文化人類学に興味がある人、知的なミステリーを読んでみたい人に特におすすめ。 個人的な印象では「ドグラマグラ」×「夜は短し歩けよ乙女」×「薔薇の名前」 ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) ドグラ・マグラ (下) (角川文庫) 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 薔薇の名前〈上〉 薔薇の名前〈下〉 | ||||
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バイオテロで閉鎖された京都で、ウィルスの影響により独自の進化を遂げる生態系と、その裏に隠された陰謀。それに立ち向かう主人公の京都大学教授数。10年に渡る壮大なタイムスケールで描かれたSFミステリ。 ストーリーが目まぐるしく速く進み、主人公が次々と事件に巻き込まれていく中で、次の展開が気になって仕方ないようなグイグイ読ませる本だった。 著者が京都大学の現役教授というだけあって、人工知能、遺伝子進化など広範囲な専門的記述が目立つ。それに本書を貫く「愛」と「性」の可分性・独立性という哲学的テーマが絡み合い、そのすべてが高いレベルでまとまっている。これだけの広がりを巧く1つのストーリー治めている著者の教養の深さと巧さが窺える。 ミステリとしても、読者の期待を裏切る展開が続き、全体を振り返ってもよくまとまっていたと思う。それだけに、作中で重要な位置を占めるAI(人工知能)のメカニズムに関する記述については、全体的にお粗末な印象を受けた。もっとシンプルに書くか、より細かく描写した方が、作品全体としての完成度が高まっていたはずで、そこだけが少し残念。SFとしての本書は、”本物”ではない。 総括して、アイディア、構成等、処女作とは思えないほど成熟した筆致は、唸るほかない。 暴力的な表現や専門的な表現のために読者を選び、万人に薦められるものでは決してないので、「名作」と評していいのかは迷うが、個人的には文句なしに星5つをつけられる一冊。 | ||||
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