グデリアの死んだ家

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長編
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あらすじ

2026年07月21日 グデリアの死んだ家 (創元推理文庫)

ドイツ・ミステリ大賞&シュトゥットガルト・ミステリ賞受賞作!洪水も、死体も、彼女を家から引さ離せない。81歳の老婦人はなぜ「家」に固執するのか?ミステリ賞2冠 ドイツ発衝撃作「良質のミステリは、型には縛られない。人間を語り、彼らの人生や、深淵をも描きだす。本書はそうした優れたミステリのひとつだ。それどころか、今年度最高のミステリと言ってもいい」ーユルゲン・デッペ(書評家)(「BOOK」データベースより)

評判

グデリアの死んだ家の評価:

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グデリアの死んだ家の総合評価:

9.00/10点 レビュー 2件。

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No.2
(5pt)

グダリアの物語

タイトルにあるように、グダリアという女性が主人公である。長い人生の思い出から
今に至るまでの物語である。ただそれだけなのに、人間性や人生観、心の闇なども読み取れて、素晴らしいミステリーだった。
グデリアの死んだ家 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: グデリアの死んだ家 (創元推理文庫)より
4488219098
No.1
(4pt)

グデリアの1998年を思う時、悲しみを禁じ得ない。

ドイツ・ミステリ。舞台は、小さな村、架空のウンターリンゲン。村は、百年に一度の洪水に見舞われ、住民は皆避難したはずだったのに、主人公、八十一歳のグデリアはただ一人、停電したままの自宅にとどまり続けます。何故?それが、主要なミステリです。
 アルコール依存症の夫(ハインツ)に先立たれ、一人息子は十五歳の時に殺害され、グデリアは家族の思い出と共に大事な家に住み続けていました。まるでハインツがアルコールに執着するように、グデリアは「家」に執着し続けます。何故、それほどまでに「家」に囚われ続けるのか?ミステリを読み慣れた読者には、ある程度の想像がつくプロセスの中、洪水が起きた2024年、息子が殺害された1984年、ハインツのアルコール依存が手のつけられない状態になった1998年、その三つの時系列が繰り返し交互に現れ、家族の崩壊とグデリアが抱え続けた心の闇と歪んだ愛が語られていきます。これもまたスリラーですから、これ以上詳細を書くことができません。
 これほどの闇を抱えるグデリアを何故私は否定できないのでしょうね?それは夫、ハインツの<アルコール依存>に端を発しています。彼女は、ハインツを立ち直らせるためにハインツの中に<底打ち>の状態を作り出すわけですが、それは家族が依存症者を立ち直らせるための唯一の方法だと気づいたからに他なりません。それは、知る人ぞ知る至上の愛と呼べるものなのです。しかしながら、小説内の記述にもある通り、悪魔的に一人の依存症者は、もう一人の<共依存>症者を生み出してしまいます。愛ゆえにハインツを立ち直らせようとしたグデリアは、執着という名の歪んだ愛によって結果的にハインツの共依存症者と成り果ててしまいます。その点、精神医学の一例を詳細に含む本書は、実に興味深い内容を持ったスリラーと言えるでしょう。
 私にとってグデリアの1998年を思う時、悲しみを禁じ得ない。
 □「グデリアの死んだ家」(トーマス・クヌーヴェア 東京創元社) 2026/7/29。
グデリアの死んだ家 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: グデリアの死んだ家 (創元推理文庫)より
4488219098

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