わが兄弟、ユダ
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原著刊行1974年、原題 Frere Judas。古代ペルシャのミトラ教を模した新興宗教団の中で起きる連続殺人を、犯人側から描いたクライム・サスペンス。 うだつのあがらない銀行員ポールは、教団では経理一切を任される教祖の秘書的立場に生きがいを感じ、教団に忠誠を誓っていますが、教祖はお金に無頓着で、常に収支は青息吐息。そこへ戦争で障害を負い、教団に救いを求めたアメリカの富豪がやってきて、その寄付金をあてにしたポールは歓喜します。しかし富豪と随行者の弟を乗せて教団に向かう途中、運悪く別ルートから直前に入ってきていた同門4人の車とのニアミスで、ポールの車は大破。3人とも路上に投げ出され、ポールはほとんど無傷ですみますが、富豪兄弟は死んでしまいます。 ポールはこの事故のどさくさで兄弟の遺体に何か偽装をしたようなのですが、「何をしたのか?」が本作の主題。その偽装に気づきうるのは、前を走っていた車から降りて様子を見に来た同門の4人。この4人の口さえ封じれば・・・ということで殺人計画が動き出します。 この作品は、作者チーム得意の”すりかわり”を意表をつく形で使っているところがみそです。また、他の作品に比べすらすら読みやい。おそらく濃密な比喩や独白といった特徴的な文体が、この作品では比較的抑制されているからでしょう。脇役の登場人物がけっこう快活に描かれているのもこの作者チームには珍しい。これらの、「いつもと違う」要素が、結果として好ましいほうに働いていると感じました。 なお、タイトルの「ユダ」は、ポールに狙われる4人のひとり、もと司祭のフィルダールがポールに語った「イエスを陥れたユダ」の実像のエピソードから取られています。読後はっきり感じると思いますが、ユダの境遇と命運がポールに酷似していることを暗示しているわけですね。 | ||||
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