記憶のための殺人
- 拳銃 (222)
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1961年、パリ市中で起きたアルジェリア人によるデモを警官隊が武装して襲撃、大量の死傷者が出た歴史的事件の最中、デモとは無関係の一介の高校教師が射殺されますが、真相は闇に葬られます。20年後、その息子が図書館で歴史関係の書物を閲覧し退出したあと、尾行していた何者かに射殺されます。刑事カダンはこの事件の背景をさかのぼり、戦争が生み出した首犯者とフランス史の汚点に迫っていきます・・・ ミステリの体裁はとっているものの、テーマは犯人を暴くことではなく、殺人事件の捜査を通して、表ざたにできない戦中の暗い歴史を読者に知らしめることが主眼と読めます。ミステリとしては、2代にわたる射殺被害者であるとか、彼らが共通に追い求めていた歴史上の真実とは何か、など、劇的に膨らまそうと思えばもっとドラマティックにできたはずの題材を、短編ドキュメンタリー風にあっさり語り進めていくあたり、ぶ厚い大作に慣れた読者にはいまひとつ物足りなく感じられましょう。このあたり、ページ制限があったらしい当時のフランス出版界の事情によるものかとも思われますが、半ルポルタージュと割り切って読めばあまり気になりません。逆に、怖そう、暗そうというロマン・ノワールのイメージを覆すほどに、この作品にはユーモアがあり、雰囲気は明るいのです。 そういえば、かつて読んだJ・P・マンシェット(『狼が来た、城へ逃げろ』)にしても、アルベール・シモナン(『現金に手を出すな』)にしても、A・D・G(『病める巨犬たちの夜』)にしても、血なまぐさい抗争や事件を扱いながら、ラテン人らしい陽気さが共通して感じられるのです。 エンターテインメントとしては荒削りではあるものの、ストレートなテーマ開示により、印象深い作品に仕上がっていると言えましょう。 | ||||
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