シュガー・ザ・キッドの兄弟(チョーデー)
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「ひとには多面性がある。(略)多面性があると同時に、ひとはだれでも不完全な存在だ。どんな環境に恵まれ、人間関係に恵まれていようと、ひとは孤独に直面しながら生きている。それを味わった者のみが、不完全な他者をも受け入れられる。」 「自分の痛みではない痛みに想いを馳せる力が、そのひとの人間としての深さだと思う。それがそのひとの愛情の深さだと思う。その深さや大きさは、甘い人生からは決して生み出されないものだと思う。」 本書に出てくるこの二つの文章に、北林優さんの今までの作品で伝えたかったことが集約されていると思う。 軽はずみで残忍な事件が多発している現代だからこそ、いろんな人に読んで貰いたい本だと思います。 | ||||
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腰痛と心に傷を持ってる比嘉さん。『殺すに時があり』のシリーズ第2作ですね。冷めてるようで実は純粋で生きることに真摯なジュナ、そしてそれを見守るシュガー。切なさとやりきれなさを共有するふたりはある意味本当のチョーデー。現代社会の歪みに対してミステリーという形で向き合う作者の優しさとそれゆえの苦悩が伝わってくる作品だと思いました。 | ||||
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わくわくする思いで読み終えた。忘れないうちにレビューに書きとめよう。 まず、北林優の大きな特徴の一つ、繰り返される表現だが、だんだん少なくなって来てて、私は残念だ。 今回は、1ページに渡って延々と繰り返される表現は無かった(と思う)。 でも、一冊を通じてなら、確かにあった。確信犯で書かれていると思う。 最初は35Pに出て来る。 そのサイレンと県警のサイレンが多重演奏で近づき、マックスの音量になり、 マンションのすぐそばで収斂して消える。 抽象的だけど、分かりやすくて、尚且つ頭に残る一文が、最後180Pでは、こうなる。 その二台の覆面パトカーのサイレンの音に、 鑑識課車両のサイレンの音が重なり合い、街に響き渡り、 コザの愛玲のアパートのまえで収斂して消える。 見事にリピートされて印象的だ。その他にもあったけど、略。 この小説は、沖縄が舞台であって、北林優では既に味わった世界である。 返還されたとはいえ、基地の街である事。それを登場人物の、おおよそすべての人間が抱えている。 随所に出て来る、「アメリカ」には、フクザツな思いを覚えた。 北林優にしては、淡々と書かれていく世界が、一気に叙情性を帯びて、まるで一枚の絵の如く感じられる場面が、最後の方で出て来る。 ヤンバルの原生林。木漏れ日。清流。覆い被さるようなシダ。滝と滝壷。そこにある倒木。 そして、白いワンピースの女。突然具体的な登場の仕方をする、バカラのクリスタル、トルネード。 文字通り、印象派の絵画のようで、読んでいる私は、ドキドキして、 何度かため息をつき、深呼吸をした。 本当に良い本であった。もっと書きたいけど、もう止めて、余韻を大事にしておこう。 | ||||
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