ゆがめられた昨日
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黒人の私立探偵を主人公としたサスペンス小説(1957年刊)で、底流には黒人に対する人種差別問題とそうしたハンデキャップを背負った人々に対する作者の温かい眼差しが溢れている。ハンデキャップの中で闘う黒人刑事というと、「夜の熱気の中で」のヴァージル・ティップス(映画ではあのシドニー・ポワチエが演じた)が有名だが、本作の主人公はそれ程知的ではなく、ごく普通の人間(それも刑事ではなく探偵)に設定している点に好感が持てると共に、事件の錯綜度を高める効果をも持っている。 罠に嵌って、主人公自身が殺人事件の犯人として追われる身となり、逃亡しながらも、真犯人を探すという体裁の物語だが、流石「さらばその歩むところに心せよ」の作者であるだけに、その過程は一筋縄では行かない。限られた「誰を信じて良いか分らない」登場人物の中で、真犯人が誰で、動機は何か、という本格ミステリ的趣向を充分に織り込みながら、読者を引っ張って行く手腕は一級品と言える。 プロット上の工夫もある。冒頭、事件の三日後、主人公が被害者の出身地へと高飛び兼捜査に赴く場面から始まる。最初この部分を読んだ時は余り効果がない様に思われたのだが、これが事件解決と共に主人公にとっては更に重要な"ある解決"へと導くのだから、作者の巧者振りが良く窺える。上述した通り、ハンデキャップを背負った人々に対する作者の温かい眼差しが光る作品だが、特にラストの一行は心温まる。作者の力量を十二分に堪能出来る秀作と言って良いのではないか。 | ||||
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アフリカ系の私立探偵の元にテレビで働いている女性からある男を見張るように依頼され・・・というお話。 MWA賞受賞ながらも話は割と小粒で小品の趣きで全体も300ページもない薄い感じの作品に思えました。なので受賞理由は一にも二にもアフリカ系の私立探偵を登場させたが故ではないかと思いました。この主人公のトゥセント・モーアというアフリカ系のキャラクターが他の人種とあまり変わらない、良いところもあり悪いところもあり、生臭く血の通ったリアリティある人物として描くことに成功したところに本書の読み処と意義があると思いました。 それと訳が小実昌さんでさすが帝大でてテキ屋をやっていただけあり、言葉使いなど迫真的で感心しました。チャンドラーの訳もこの人が一番いいと言われているだけあるなと思わせます。 切れ目なく30ページくらい蜿蜒つづく文章が娯楽小説としてどうかな、と思いましたがそれ以外では今読んでも割と面白い作品でした。クライム・ノヴェル/ハードボイルドに興味がある人は読むべき小説だと思いました。 | ||||
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