1/4のオレンジ5切れ
- 贖罪 (26)
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ジョアンハリスの本がもっと和訳されて日本で発売されればいいと思う。 もっと、もっと読みたい。 | ||||
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筋が冗漫で盛り上がりがなく、ご都合主義の筋立てもつまらない。翻訳は悪く、同じ表現や文体が多すぎて読みにくい。 | ||||
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読み耽る。まさにそのようにして、この本を読んだ。 『ショコラ』とはずいぶん異なる印象におどろく。 『1/4のオレンジ5切れ』とはまた、変わったタイトルだが、これこそが この作品の核心でもある。 主人公フランボワーズが9歳の夏。そして秋に起こったこと。 じきに65歳になる彼女が回想し、自身にも読み手にも開放しようとする記憶を 確かめたくてページを繰る手をとめられなかった。 父が戦死したあと、遺された農園を切り盛りする偏屈な母との確執がくりかえし 描かれ胸がいたむ。三人兄弟の末子で、意固地で厄介ごとばかり起こす フランボワーズもまた自分をその型にはめて動こうとはしない。 戦争の影は色濃く、人々の心や生活にさまざまな波紋をおこす。 秘密、秘密、秘密。 誰もが、いわば生き残るために人に言えない秘密をかかえこむ。 フランボワーズもまた、勝ち気さとわがままの境で秘密をもつこととなるのだ。 母が残した雑記帳を読み解きながら、フランボワーズは母と自分の過去をだぶらせ、 真実を求めてゆく。 息苦しいばかりの夏の日の果樹園のことごと。願いをかなえるための釣りの仕掛け。 ドイツ兵との交流。そこにフランボワーズの幼く昏い葛藤とあふれんばかりの 憬れがあった。 そして、オレンジの香が、その記憶を鮮明に裏付けるのだ。 手探りで過去をさかのぼり、そこに母の真実の思いを見てとり、自身の来し方をも 見つめ直した彼女は、ようやく愛に満ちた平安を感受することができた。 人は、愛された記憶によって救われるということが哀しくも切なく胸をうつ。 そうやって手にした過去もろとも「今」を享受するフランボワーズの姿に、私は 感動を禁じえなかった。 | ||||
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1942年、ロワール川沿いにあるフランスの片田舎。 九歳の少女の目から見た夏から秋への風景。 その村の近くにも、ドイツ軍は駐留していた。 果樹園の様子、釣りの描写、日々の食卓を彩る料理の数々。 登場人物たちの甘やかな響きを持った名前とは裏腹の、昏く、厳しい記憶。 その秘密を守って長く生きることの辛さ。 子どもであるが故の浅はかさと残酷さ。 どれをとっても読者の心を捉えて話さない。 読むほどに、狂おしいほど豊潤なオレンジの香りが漂っているかのような錯覚に陥る。 だれかの秘密を暴くことは、真実を知りたいという欲求と、 だれも傷つかないでほしいという気持ちが複雑に交錯する。 全てが明かされたとき、安堵の溜息を漏らすとともに すっかり圧倒されていた自分に気づいた。 しかしそして、これは「食べることは生きること」なのだということを 再認識せずにはいられない物語である。 | ||||
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