盗まれた死角
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美術館の庭で死体が発見される。首が切断され頭部が持ち去られており、代わりに石膏像の頭が置かれていた。 第一発見者は電話帳から最寄りの名探偵事務所に通報。 それを受けた凡堂名探偵事務所の面々が調査に乗り出すが、解決できない内にもう一体の死体が。 今度は両腕が切り取られ持ち去られており、代わりに石膏像の腕が置かれていたのだった。 事件は地味で小粒ですので、捻くれた作品をお望みの方、アッと言わされたい方にはお勧めできません。 しかしそんなことよりも、警察組織が存在せず、司法局と、その下請けとしての無数の名探偵たちがいる、 という独特の世界設定が面白い。 鑑識にあたることは司法局の担当ですが、他の捜査は名探偵の手にゆだねられているのです。 この設定があるからこそ実現できたのが、凡堂のキャラ。 というのもこの凡堂氏、名探偵としての優れた能力を持ちながらも、構える事務所は事務員含め部下三人。 言わば零細企業の社長さんなのです。 そういう立場なりの苦労をしてきたからこうなったのだろう、という特異なキャラが光ります。 事件について閃きを得たのに「確証がない」と言って明言を避けるのは明らかに天才型名探偵のソレですが、 ホームレスのリンちゃんという人物が仲間の死体を見て「人はあんな風にして死ぬんだね」 とショックを受けているのに対し「生きていればお腹がすくんですよ」とたぬきうどんを奢るという、 人情派刑事のようなふるまいも出来るのです。 天才なのに人情を理解できる。 印象に残る、不思議な名探偵でした。 事件は小粒と書きましたが、作者のあとがきによれば 「こういう設定なら大掛かりなトリックを扱う犯罪や、『怪人』というものをリアリティをもって書けるかもしれない」 という考えがあり、そのささやかな試みとして今作を書いたとのこと。 「大トリック」や「怪人」というキャッチーなアイディアを持ちながらそこに一足飛びに行かず、 こんな地味な小説で二の足を踏むのは損だと思うのですが… | ||||
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