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裁き屋稼業(渇望)



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【この小説が収録されている参考書籍】
裁き屋稼業 (実業之日本社文庫)

裁き屋稼業(渇望)の評価: 3.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

加筆修正でよけいに時代背景が混乱している。

二次文庫、三次文庫の刊行がやたら多い作家だ。その都度、手を入れているのは作家の姿勢としては、正しいのだろう。だが、そのことによる、時代背景の揺らぎが大きい。本作に限ったことではない。執筆当時にはまだ存在していないドローンがでてきた2000年代の二次文庫もあった。

読み進めるうちに本作もおかしいことにやたら気づく。
本書は2002年が最初の発表で、2006年に一度文庫化されている。
したがって時代背景は、ほぼ2002年がべーすになっている。

団塊の世代が登場するが、年齢は、現在に合わせて二十年ほど増やしたようだ。七十二歳だ。
その割には動きが若々しすぎるのだ。底本発売時期なら52歳。それならわかる。
世相としてはデフレ期で光通信電話詐欺なども登場している。
そんな背景にいきなり「パパ活」という、ここ数年に使れだした言葉が唐突に飛び込んでくる。
中途半端な加筆は止めた方がいいのではないか。

底本の時代背景そのままの方が、感情移入できる。冒頭に二○○二年、夏。とつけるとかね。

さらに指摘するならば、
テレビのリモコンを「遠隔操作器」と書いて「リモートコントローラー」とフリガナしてあるのは、時代錯誤も甚だしい。
2002年でもリモコンだろ!遠隔操作器ともリモートコントローラーとも呼ぶ奴はいなかったはずだ。

狙い定めた相手(須田)に主役ふたりがマンションに乗り込むシーン。先にこいつを攫う暴漢がいた。
拳銃を向け合うが、主人公が観念して床に伏せる。
おそらく銃弾の威力と飛距離が違うせいだろうと、読者としては推測するが、その説明はまったくない。
互いの距離も不確かで、拳銃の威力の差も示されていない。
表現が粗すぎる。
そしてそのマンションに入ると、エアコンデショナーはよくきいていたとある。
エアコンをそう呼ぶ日本人はまずいない。

これが誹謗するつもりで書いたのではない。著者の作品は二十年来読んでいる。ファンのひとりでもある。
低評価として記させていただいた。
底本を、加筆などせず、そのまま出してくれた方がうれしい。
西村寿行や大藪春彦を読み、その時代の風俗を懐かしむ。南英男ファンは、そこと被っていると知った方がいい。
裁き屋稼業 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:裁き屋稼業 (実業之日本社文庫)より
4408557064

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