楓川に架かる新場橋で人足姿の若者が迷子になった老人を背負って立ち往生していた。

神田連雀町の小間物屋『淡雪堂』の一人娘おゆきが突然姿を消した。

博奕打ちの蓑吉が、真夜中の妻恋稲荷で石燈籠に頭をぶつけて死んでいた。

日本橋の茶道具屋『香風堂』の若い手代が、お店の一人娘おくみを勾引した。

旗本成島家当主の平四郎が、人に逢いに行くと云って出掛けたきり消息を絶った。

大目付の水野義信が殺害された。

妾を囲い、働き者の女房に三行半をつきつけた小間物屋『菊乃家』の主・宗兵衛。

北町奉行所例繰方同心の白縫半兵衛は元岡っ引の半次を伴い、かつて手先を務めていた役者崩れの鶴次郎の墓参に下谷大興寺を訪れた。

出入物吟味人として日暮左近が働く公事宿巴屋に、亡き父の借金を返せと迫られているという男が訪れた。

闘病中の旗本堀川頼母を往診する、藪医者と評判の中井良伯。その良伯の後を追う一人の小柄な年寄りがいた。

公事宿「巴屋」の出入物吟味人日暮左近は、かつて秩父忍びの仲間で許嫁だった陽炎から助けを求められる。

湯島天神の奇縁氷人石に尋ね人の紙を貼り、熱心に手を合わせる女がいた。その女の名はおつた。

楓川に架かる新場橋傍で、博奕打ちの猪之吉が死体で発見された。

公事宿「巴屋」の主・彦兵衛は、大身旗本の屋敷の前で、秩父忍びの陽炎に似た女に会う。

下っ引の音次郎は、湯島天神で幼馴染みのおしんの姿を見かける。

日本橋室町の献残屋『千寿堂』の主夫婦が、盗賊“鬼薊の長五郎”の押し込みに遭って殺された。

北町奉行所臨時廻り同心白縫半兵衛の組屋敷を、見知らぬ娘が訪ねてきた。

南町奉行所臨時廻り同心白縫半兵衛は市中見回りの最中、大身旗本の嫡男白崎紀一郎が野菜売りの百姓駒吉を無礼討ちした現場に出くわした。

江戸・三十間堀の小さな町道場が、怪しい証文を盾にした男たちから狙われている。

神田から下谷、浅草界隈の質屋や金貸しの店先に、御布施を貰うまで経を読み続ける托鉢坊主が出没していた。

鳥越明神の境内から、野良犬が土の付いた小判をくわえて出てきた。

八百石取りの旗本北島家の倅で、愚か者と評判の右京が五日前から姿を消した。

高輪の酒問屋に奉公する十四歳の子守娘おたまが、往来で馬に蹴られた後、先の事を見透す不思議な力を授かったー。

音羽町の玩具屋「童や」の娘・おみよが手込めにされた上に絞め殺され、江戸川に浮かんだ。

北町奉行所・臨時廻り同心の白縫半兵衛は、申し付けられて旗本の次男・真山真之丞を尾行ていた。

北町の臨時廻り同心、白縫半兵衛に再婚話が持ち上がった。

八丁堀北島町の同心組屋敷街に、一人の幼い子供が白縫半兵衛を頼って迷い込んできた。

鎌倉河岸で大工の留吉が殺された。

「同心にも矜持あり」盗賊の父親を売った娘の心の裡に零れる哀切の涙

出入物吟味人として日暮左近が働く公事宿巴屋に鍛金師の文吉が銀の香炉の代金を払ってもらえないと公事訴訟の依頼に来た。

凶賊・土蜘蛛の儀平一味が江戸市中を荒し回っていた。月番の北町奉行所同心たちは何故か裏をかかれ、捕らえることができない。

一年前に甲府へ買い付けに行ったまま、行方知れずになっていた薬種問屋の若旦那がひょっこり帰ってきた。

惚れた男のために苦界に身を沈めながらも、果たされぬ約束に一縷の望みを抱く女・・・・。

深手を負って公事宿巴屋の主に助けられた一人の男。

公事宿「巴屋」に、常陸の百姓が年季証文を持ち込んだ。

神田三河町で金貸しの吉五郎と女房のおそめが殺された。

公事宿『巴屋』出入物吟味人の日暮左近は、明神下の通りから神田川に架かっている昌平橋の袂で、中年武士に詰め寄られている十六、七歳くらいの武家娘を見かけた。

公事宿「巴屋」の出入物吟味人となった、もと秩父忍びの日暮左近。ある日、左近が手裏剣で襲われた。

薬種問屋『萬宝堂』の若旦那が旗本の娘に恋をした。身分違いの恋に不安を覚えた番頭は、公事宿『巴屋』に依頼を持ち込んできた。

常陸国土浦藩の御刀蔵が破られ名刀相州五郎正宗が奪われた。

大店の呉服屋「丸菱屋」の娘おかよが、姿を消して十年後、店に戻ってきた。