キリング・サークル
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処女長編「ロスト・ガールズ」に続く邦訳2冊目となるカナダのサイコ・ミステリー分野の旗手パイパーの映画化も決定した魅惑の最新長編小説です。著者はミステリー作家ではありますが、本書を読み終えた印象では推理の部分よりもホラーに重点が置かれた作風を強く感じました。著者の持ち味は残酷なシーンを強調せず逆に淡々と語る不気味さと先の展開が読めない迷宮の様なストーリーを紡ぎ出す才能で、読者は異様な雰囲気に震えながら一体どうなるのだろうと固唾を呑んで、ひたすら頁を繰らざるを得なくなるでしょう。 作家を夢見る新聞記者パトリックは妻を亡くし残された四歳の息子サムと二人で暮らしていたが、悲しみを紛らそうと創作サークルに通い始める。彼を含め7人の生徒と講師で活動する場で発表された作品の中で、アンジェラの語る不気味なサンドマンの物語が一際称賛を浴びる。その頃、物語に出て来るバラバラ死体と酷似した連続殺人事件が現実に起き始める。やがて四年後念願の作家となったパトリックは、創作サークルの講師や仲間達の事故死や失踪を知り、自ら謎を追う内に今度は最愛の息子サムを誘拐されてしまう。 本書の底流には作家として名を成したいという主人公の強烈な渇望があります。彼は出来心で強引な手に打って出て結局は罪の報いを受けるのですが、やや残念なのはテーマの掘り下げが不十分で最後まで読んでも犯人の動機が曖昧ではっきりと見えて来ず、結論として著者が本書で何を言おうとしたのかがよく解らない点です。ミステリー的には最後にどんでん返しで意外な犯人の趣向が楽しめますが注意深く読めばきっと見破れますので、本書の読み方としては終わりのない迷宮に誘われる複雑に錯綜したストーリー展開を味わい、奇妙な狂人の論理についてじっくりと考えるのが相応しいでしょう。ありきたりでなく滅びの美学の香り漂うラストが只者ではないと思わせる著者の今後の活躍に期待しましょう。 | ||||
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