憲兵トロットの汚名
- サスペンス (354)
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第二次大戦後のフランスに駐留アメリカ軍で将兵をしている主人公が逃亡を謀り・・・というお話。 イーリイにしては異色度は控えめでオーソドックスなサスペンスに思えますが、後年のイーリイの著作に露わになる異様な感じが横溢している作品でした。真面に書こうとしても文章や描写やキャラクターから異質性がプンプン匂い立ってくるという、この作家の業のような物を感じて、処女長編としてはなかなか読ませる小説であるなぁと思いました。後年の異色短篇からすると物足りない、食い足りない部分があるのも事実ですが、上記に書いたこの人特有のノリに乗れればこれ以上はないというくらい納得できる作品だと思います。最後に至ってこの小説があるジャンルの嫡流にあるということが判りますが、この辺もまだ、真っ当な小説を書こうという意図が見え隠れしているようにも思えました。 長篇ではこれと「観光旅行」を、短篇では日本独自編集の二冊を読んで思いましたがこのイーリイという人は本質的には短篇作家なのではないか、と思いました。長編もそれなりに面白いですが、短篇の傑作を読んで比較すると、やはり短篇の方が出来がいいと思えてしまうので。 異色度は低いけれど、それなりに読ませる長編。「蒸発」の文庫化も期待したいです。機会があったら是非。 | ||||
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1968年のハヤカワ・ミステリの復刊。 David Elyの『Trot』(1963年)の翻訳。 『ヨットクラブ』に比べると、かなり物足りない。というよりも、その幻想味にうんざりさせられる。奇妙な味の作家は短篇以外は手がけるな、とすら言いたくなる。 第二次大戦後のパリを舞台に、アメリカ軍の元兵士が、戦争に関わる重大な秘密に迫っていくという話だが、とにかく訳が分からない。主人公の置かれた立場がはっきりしないし、周囲の人間の行動の首尾一貫しないことといったらないし、核心となる秘密のちらつかせ方がいらつく。 これしか読む本がない、という時でなければ通読できないだろう。私は旅行中だったので仕方なく。 | ||||
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近年、短編集『ヨットクラブ』が翻訳出版されて注目を集めたデイヴィッド・イーリイの処女長編。 第二次世界大戦後、ドイツに駐留しているアメリカ軍の憲兵ウィリアム・トロット一等軍曹は、パリで一緒に休暇中のピート・マレイ軍曹を逮捕するよう指令をうけるが、取り逃がしてしまう。上官からワザと逃がしたと疑いをかけられ、誤って殺人まで犯してしまったトロット軍曹は、護送中に脱走し、パリへと向かう。マレイを捕まえ、自分の汚名を返上するために。 自分の居場所と信じていた軍隊から裏切られ、名誉を回復するためにパリへと向かうがそうそううまくいくはずもなく、さらに悲惨な生活へと堕ちていくみじめで情けないトロット軍曹、が、それでもなんとかしようともがき耐え忍ぶ姿が迫力ある筆致で描かれています。 みじめな姿と繰り言にいい加減ウンザリしはじめる頃になるとそれまでとは一転、カーチェイスや銃撃戦など派手でスピーディーな展開となり、最後まで読者を飽きさせません。 短編の切れ味に比べると物足りなさも感じますが、作者の紹介の際に必ずといっていいほど使われる「奇妙な味」、「異色作家」の雰囲気を十二分に味わえる一作です。 | ||||
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