寛政五年十月、江戸を見舞った大火事のあと、吉原に大勢の客が押し寄せる。

年が明けた吉原で、客の懐中物や花魁の櫛笄が次々に盗まれる騒ぎが続いた。

かつて花魁を務め、今は切見世に落ちた女郎の白川が斬殺された。

吉原を過去最大の危機が襲う。会所頭取、四郎兵衛の無残な姿。

汀女の手習い塾に通う遊女に、偽の文を使って客から金子を詐取した疑いがかかる。

七月、足田甚吉の祝言話が持ち上がり、玉菊灯籠で吉原が華やぐ季節、からくり提灯の職人が殺された。

日本橋に現れた、誰より走るのが速い若侍。

神守幹次郎・汀女夫婦は、札差の伊勢亀半右衛門から薄墨太夫との川遊びに誘われるが、それを機に新興札差・香取屋武七の魔手が忍び寄る。

吉原裏同心・幹次郎の前に、人喰い猿を連れた三人の武芸者が現れる。男たちは廓に乗り込み、遊女を殺し金銭を奪う悪行に及ぶ。

天明八年正月、京で大火が発生、吉原を狙った島原の勢力は力を殺がれたかに思われた。

早朝の浅草寺で、廓の用心棒神守幹次郎は血の臭いをまとうふたりの男とすれ違う。

虚栄と粋と張りを競い合う吉原が炎上、仮宅商いを余儀なくされた師走。遊女・花蕾が行方を断った。

再建前夜の吉原。幼い孫娘のおみよを連れ、地蔵を背負った遍路が現れた。

天明八年の正月、吉原にある引手茶屋の沽券が次々売り渡される事態が発生。

遊女たちの髪洗いの日、千惷楼でお職を張る女郎莉紅が客と心中した。

女髪結おりゅうの妹で髪結見習いのおきちが不審な客に狙われているという。

織田信長は、幼少時から孤独と、満たされぬ怒りを抱えていた。

吉原会所の頭取四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が脅威にさらされた。

物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。

吉原会所を嶋村澄乃と名乗る武家の娘が訪れた。裏同心として働きたいと言う澄乃に、一同は驚く。

廓に上がらず、吉原で金を使わない地廻りと呼ばれる男の骸が切見世で見つかった。

吉原の用心棒神守幹次郎を、豊後岡藩から二人の侍が訪ねてきた。かつて出奔した旧藩に復帰せよとの話に、幹次郎は戸惑う。

さまざまな人生の交差する吉原で二十年余、按摩稼業で身を立てていた孫市が殺害された。

吉原会所の裏同心神守幹次郎にして八代目頭取四郎兵衛は、九代目長吏頭に就任した十五歳の浅草弾左衛門に面会した。

長く廓の用心棒であった神守幹次郎が吉原を率いる八代目頭取四郎兵衛に就任、御免色里の大改革が始まった。

端午の節句のその日、大門前に立った男女。一年余の京での修業を終え、吉原に戻った神守幹次郎と加門麻であった。

禁裏の刺客・不善院三十三坊を斬った幹次郎。その直後から、禁裏と、ある西国の雄藩の影が祇園の町にちらつきはじめる。

神守幹次郎と汀女が吉原会所に雇われ、一年余が過ぎた。弥生三月、吉原に桜が舞う季節、女たちの想いと生き様が廓を揺るがす。

高齢の四郎兵衛に代わり、廓を御する吉原会所の八代目頭取を誰が継ぐのか。

安永五年、豊後岡藩の馬廻り役・神守幹次郎は、意に沿わぬ婚姻に苦しむ納戸頭の妻・汀女と出奔した。

吉原遊廓の裏同心・神守幹次郎は、表向きは謹慎を装い、元花魁の加門麻を伴う修業の旅に出た。

久しぶりに幹次郎を訪ねてきた左吉。身代わりで入牢した間に財産を盗まれたという。

吉原遊廓の陰の用心棒・神守幹次郎は、姉妹の売れっ子見番芸者が、禁忌を犯して客と床入りをしているとの噂を聞く。

札差の筆頭行司を巡る争いが激化する御蔵前で、当代の伊勢亀半右衛門宛てに不可解な投げ文が届く。

江戸・吉原で、評判の遣手らが不可解な辞職をし、相次いで姿を消した。

京での修業先が決まった幹次郎と麻。その新生活は不穏な空気に包まれていた。