クラーク・アンド・ディヴィジョン
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あらすじ
日系米国人作家による話題の歴史ミステリー1944年、シカゴ。父母とともにカリフォルニア州の強制収容所を出てシカゴに着いた日系二世のアキ・イトウは、一足先に収容所を出てシカゴで新生活を始めていた姉ローズが前日にクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだと知らされる。警察の自殺説に疑問を感じたアキは、真相を求めて自ら調査を始めるが…。2021年NYTベストミステリー選出、2022年メアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞、同年マキャヴィティ賞最優秀歴史ミステリー小説賞受賞。戦時中の日系人たちの境遇にスポットを当て知られざる歴史を掘り起こした、日系米国人の著者渾身の歴史ミステリー、待望の新シリーズ第1弾。(「BOOK」データベースより)
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評判
クラーク・アンド・ディヴィジョンの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
クラーク・アンド・ディヴィジョンの総合評価:
8.67/10点 レビュー 3件。
感想一覧
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日本生まれの親を持つ2世が、戦時体験を描いた自伝や小説は数あるが、当時の貴重な実体験を窺い知る事はできても、やや表現の古さや感情のバリアを感じ、まるで模範的作文を読んでいる心地になったりする。その点、ヒラハラ氏のような今の作家が手がけると、新鮮な空気と共に情景や人々の息遣いが蘇り、現在への繋がりを感じられる。戦後40年経ちレーガン大統領が日系人に謝罪し補償金が支払われたとか、日系政治家やアスリートが活躍するとか、その後を知っているのもあるだろうし、911後のムスリム系アメリカ人に対するヘイト、コロナ禍のアジアンヘイトへの、日系アジア系コミュニティーのリアクションも決して無関係とは思えなくなる。
シカゴの「クラーク・アンド・ディヴィジョン」駅近くで、悲しみを抱えながら新生活を始めたイトウファミリー。アキは姉が自ら命を絶ったとは信じられず、元ルームメイトや職場を訪ね歩き、警察に乗り込みもして独自に調査を開始する。同時に図書館での職を得、ポーランド系やアフリカ系の友人もでき、ストロベリーアイスを楽しみ、ダンスパーティーに繰り出したりして青春を謳歌する。とはいえ時はまだ戦時下、2世男子が米軍兵としてヨーロッパへ出征してゆく様も描かれる。
原書発売から3年、前作『ヒロシマ・ボーイ』も担当された芹澤恵氏による邦訳本が発売された。芹澤氏のテンポのよい飄々とした文体は人物に息を吹き込み、まるで自分もシカゴの街にいるような臨場感に溢れており、姉の陰に隠れていた日系の女の子がひとりの個を持つ女性へと成長する物語としても充分に楽しめる。続編Evergreenの邦訳本も、引き続き手がけて頂けると嬉しい。