猿神の呪い
- 伝奇ミステリ (27)
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街の古本屋で見つけた本だが、2003年の刊行時にはすっかり見落としていた。本名は上野友夫。1954年にNHK入局。 彼の業績は名著『推理SFドラマの六十年』にて知ることができる。数々のミステリー・SFラジオドラマを手掛けながら、作家としても活動した異色の経歴を持つ。 本作「猿神の呪い」は1960年島根新聞にて半年間連載したレア長編で、初の単行本化。 ■松江のラジオ局プロデューサー・郡英之は自分につきまとう怪しい影に不安を感じていた。そんな中、郡は大学時代の同窓である猿田春彦と再会する。 島根・仁多郡の奥深い集落に居を構える猿田家は代々、子が生まれるとその当主が必ず死ぬという。 春彦の頼みを受けた郡は猿田集落へ向かうが、そこは陸の孤島と化した忌まわしき呪いの地だった…。■ 著者の本業を主人公に投影、当時の赴任地のローカリティーをふんだんに盛り込み、ロマンスもありつつ不穏なムードで物語は進む。 怪猿・ミイラ・サディズムと著者の筆は暴走し、結末で暴かれる怪猿と宝物の謎はなんじゃそれ?と笑ってしまった。 現代なら絶対難癖をつけられそうな表現もあるのに、最後まで掲載した島根新聞は偉いものだ。 内容はいわゆる伝奇スリラー、同時代の大河内常平あたりと比べたら文章は整然として読みやすい。 乱歩あるいはそれ以前の村山槐多などの怪物(あやしのもの)テイストもあって、好事家ならそれなりに楽しめると思う。 川野京輔の他の探偵小説はどうなのだろう、是非復刻してほしいところだ。ちなみに版元である新風舎が経営破綻しているので本書の重版は望めない。 上野友夫名義の仕事では、75~82年頃のNHK-AMの江戸川乱歩や横溝正史のラジオドラマがなんとも懐かしい。 下手なTVドラマや映画よりもずっと優れていたので、こちらも商品化を熱望する。 このレビューを書いている時点では上野氏はまだご健在らしく、やるなら今しかない。 | ||||
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まず、素人臭い文章に、かなりガッカリさせられる。 盛り上げ方を知らないみたいな感じを受ける。 思うに、ドキュメンタリーなどに向いた文章だ。 あらすじだけを読むと、とても面白そうだし、確かにシチュエーションは悪くない。 だが、もっともっと閉鎖環境内だけの進行でなくては、緊迫感が出ない。 「横溝正史の世界を彷彿させる……」とあるが、全く違う。 アラビア風、と表現されているドームのある屋敷など、書き方によってはもっと活かせたろうにと残念に思う。 ネタバレになるのではっきりとは言えないが、その奇妙な屋敷は、ただそこに住む人の出自を仄めかすためにだけ在るのだ。これはもったいない。 地域といい、屋敷といい、薄気味悪い登場人物といい、とても良い材料を使っているのに、料理が下手で惜しい。 | ||||
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