マーブル騒動記
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マーブル騒動記の総合評価:
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牛がある日、知性を持ち、野心満々のテレビ・ディレクターに会いに行きます。出世の道具にしようとディレクター。牛にはそれも計算のうち。2人にはいつしか友情が芽生え、離婚寸前のディレクター夫婦とその息子にもかつてなかった感情を蘇らせてくれます。日本は『牛権』をめぐって大騒動。ヤミ牛屋まで登場します。政治家は無能で、社会運動家は自己中、庶民は自分のこと以外無関心。デフォルメされた現在の社会状況が、人間よりも懸命な牛さん達によって浮き彫りにされます。どひゃっ!とくる愉快ワンダーは前半でおしまい、あとはそうなるべくしてなったようなオハナシですが、全編漂うほのぼのとしたディレクターさんと牛さんの会話が心地よいです。 | ||||
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SFを読むのって久しぶり。 でもすんなり入れました。 牛のモー太郎が、禅僧のようにストイックで冷静でなんとも大人です。 主人公の嗣人が、直情径行で「女は家で男の居心地良くするのが仕事だ」的な男に描かれているので、よけいに牛が大人に見えます。 でも、牛の研究員は女の子にする必要なかったんじゃない? 嗣人と正反対な温厚でシャイな男性研究員で、嗣人と友情を育みつつ、とかのほうが良かった気がする。 あと、登場する政治家があまりにもステレオタイプな「バカで無能で悪趣味な政治家のおやじたち」って描かれ方で物語を薄っぺらくしてると思う。 その他はそんなに気になるところもなく、最後まで飽きずに読めました。 後半の嗣人と牛の関わりは良かった。 切なかったです。 ちょっと、「アルジャーノンに花束を」を思い出しました。 | ||||
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この作品は正統派のSFではありません。 設定はかなりSFなのですが、読み味は違うのです。 普段何気なく食べているものが高度な知能を持ったら… そのときは、「○権」を認め、捕食をやめるべきなのか? そんな、ある種哲学的な問が示される。 突然、知能を獲得した牛たち。 「牛権」を主張し、人間たちに「我々を食べるな!」と迫る。 「牛権を守ろう!」などと正論を吐きつつも、結局エゴの塊で、 自分に都合のいいことしか見えない、見ない人間と あくまでも「牛権」を守ろうとする牛たち。 2者の思惑はすれ違い、次第に対決の様相を呈し始める… 知能を持った牛たちの行く末は? 涙なくしては読めない、不思議な人情SFです。 | ||||
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この小説を読む規準として大半の方は「SF新人賞受賞作」であることを挙げるでしょう。ですが、この小説は「SF」ではないと思います。「SF」の設定を借りた「人間ドラマ」がメインテーマだと思われるのです。 突如知能を獲得した和牛。その和牛たちが「牛権」を求め、国会が開かれ……と、筋だけを追えばパニックSFですが、その背後で綴られていく主人公とその家族、そして牛のモー太郎との関係がとてもドラマティックで感動的です。 勿論、社会風刺としても、昨今の狂牛病騒動を予見したかのような内容も、完成された文章も全てが読み応えがあり、非常に完成度の高い小説です。 ただ、とにかく、「これはただのSFではない!」のです。どうぞそのおつもりでお読みください。 | ||||
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牛が人間レベルの知性を持つ。 そこから始まるこの物語には、読む人を引き込む力があります。 確かにSFだろうけれども、SFの枠に収まらない人間達と牛達のドラマ。 随所に込められた知識、風刺にも圧倒されました。 なにより、描かれている人が、牛が、なんとも魅力的です。 ありえないだろう物語なのに、本当に存在する事件のように思えてしまった。 『騒動記』のタイトルに偽りなし、良い本です。 | ||||
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