君が殺された街
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
君が殺された街の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あら、軒上泊。なんてひさしぶりなのかしら。 書店で文庫本を見つけたとたん、すぐ隠れてしまいたいような、昔すっごく仲が良かったのに、何故か知らないうちにいつのまにか疎遠になってしまっていた、そのことが悔恨となってどこかに沈殿していたみたいで、あ、この際、私の気持なんかどうでもいいんです、でも、やっぱり名作は、いいものはいいと、ちゃんとわかっている方はいらして、こうして文庫化されたのを大喜びしています。 たしか1995年の作品で、理不尽な米軍基地を押しつけられた沖縄の街で繰り広げられる、ドス黒い麻薬密売と臓器売買の絡んだ難事件を素人探偵が真正面から挑んで解決していく物語でした。 でも、オール讀物新人賞を得た『九月の街』を寺山修司が脚本を書き、東陽一が撮った映画『サード』となって私たちを興奮させ、その後の『べっぴんの町』も『八月の濡れたボール』も映画化されるに到って、大ブレイクの予感がしたはずなのに、何故か不幸にも軒上泊はそれほど読まれなかったような感があります。 あっ、リアルタイムじゃなくてあとから遅れてきた読者ですけれど、どうも客観的にみてそういう気がします。もしも的が外れていたらごめんなさい。 3作とも少年院とか法務教官とか、彼の実体験が色濃く出た物語で、それはそれで他にはみられない目新しい題材だと思いますが、ひょっとして説教臭さが少しでもみえたとしたなら、どうもそれが疵となって皆が引いて行ったのかもしれません。 金八やルーキーズなど、学校ものや不良落ちこぼれ再生物語としてなら需要もあったでしょうが、あっそうか、『八月の・・・』は少年院の野球チームが甲子園を目指すというものでしたね。 それにしても、周りの誰よりもそうとう気にいって次から次へと読んできたつもりですが、私の注意不足かもしれませんが、ここ10年ばかり新しい著作が出ていない気がします。 たとえば、今をときめく時代小説の超人気作家になった佐伯泰英が、たった10年前には売れないスペインや南米を舞台にした冒険小説を書いていて、売れないから(私は、そのスペインもの、けっこうファンだったのですが)どうしようもなくて思い切って時代小説に鞍替えしたように、軒上泊も新たな転身を思案中なのでしょうか。 いえ、いまでも充分かつての作風のままで通用すると確信していますので、またぜひ書いてほしいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本屋で平積みになっていた本書を発見。 「おー、ついに軒上泊復活か」と手にとった瞬間 1995年ものと知りがっかり。 ただ、軒上泊大好きの私は、この作品を読んでいなかった(出版されたのさえ知らなかった)ため早速購入。 久々に軒上節ともいえる文体に酔えるかと思うと楽しみで、ワクワクしながら帰った。 飯も食わずに読み始めたが、なんだか軒上節がすっきりこない。 20年ちょっと前にはあれほどあこがれた文体が、 正直、46歳の私には、この文体って結構疲れるのだ(途中からは慣れたけれども)。 私のレビューの文体には、軒上泊の影響が色濃い。 「〜だが。」で終わる文章は軒上泊そのものといっていい。 一気読みするはずが3日かかって読了。 この作品は、軒上泊のものにしては結構ストーリーが複雑で、 ストーリーテリングという意味でも楽しめる。 文体が疲れるといっても、軒上泊が紡ぐ作品世界は健在で十分楽しめた。 香納諒一のようなじめっとしたセンチメンタリズムではなく もっと内に秘めた強さを感じさせるセンチメンタリズムが大好きだ。 一本太い芯の通ったハードボイルドも健在。 なんだかんだ言っても、私は軒上泊が大好きだと再確認できた。 10年ほど前、たまった本を整理したときも、軒上泊のものは手元においておいた。 それはやっぱり正解だった。 気になるのは、軒上泊が今の若い世代にどう受け入れられるのかという点。 草食系といわれる若い男性には受け入れられないかもしれない。 むしろ肉食系女子に熱狂的に受け入れられると思うのだが、 そもそも肉食系女子は読書などするのかという疑問は残るが。(ほら、このへんもろに軒上節でしょ) まぁ、とにかくこうして古本ではなく、新しい本として 軒上泊の本が本屋に並ぶのはうれしいかぎり。 あとは、本当に復活してくれることを切に願う。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|