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No.1
黒死館殺人事件
小栗虫太郎
奇書を読む(黒死館殺人事件編)
完読していない状態だが書いてしまっても問題ないだろう。物語を楽しむ類の小説では内容だ。上滑りしの連続。気合を入れて一言一句漏らさずに挑むも、三行目に達する時点で全く読めていないことに気づく。ストーリとかの次元ではなく、単純に読む力をすぐに奪われた。初めは漢字を読むことができなくなり、次にカタカナ、そして読むという行為ではなく眺めるという具合になる。何度も同じ現象になるため読むのを止めた。序盤を眺めているときに、巻末の解説文を読んでみようかと目を通すと、なんと!犯人の名前が「○○です」と書いてあるではないか。ありえない、何だこの解説。そもそも犯人は意味のないことだと断言している理由もわからない。だがしかし、中盤を越えたあたりでその理由もわかる気がしてきた。それはストーリーからではなく、「読む」行為から出てくる意見なのだろう。中盤でも、読了後でも感想は変わらないと思い記載することにする。ただ、これが数年後に読むとまた違った感想が持てると思われる。
率直なところ、本作を通して感じたことは、作者のぎっしり詰まった本棚を見ることができた。また、文中の全てに注釈が入ると単巻ではなく上中下巻でも足りなくなるのは眼に見えている、逆を言うとストーリーだけ抜き出せば短編で十分だろう。
10分の1でも本作の言葉を知っているだけで面白さが増すと思われる。平仮名を読むことさえ諦めてしまいそうな私は今は1点でも今後10点まで上がる幅が与えられているだけで幸せかもしれない。