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人類5万年 文明の興亡



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人類5万年 文明の興亡の評価: 3.35/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.35pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(1pt)

ちらと覗いて。。。

アジア アフリカで何世紀にも及ぶ人民の血を肥やしに自国を富ませ、いまだ反省の気もなく
”戦争遂行能力が優れていた” などとのたまえる鈍い神経に驚く。西洋人が世界を支配できているのは
能力以前に汚いことを、炭の色よりどす黒いことをし続けて、屍のうえで成功したからだ。アフリカからの1億奴隷輸送を、ラスカサスを、オーストラリアのアボリジニー狩りを知らないのか。広島長崎原爆投下は誰が為した所業なのか?   人類史は普通に見れば白黒はっきりしている。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.16:
(3pt)

実質的にはポメランツへの反論本

すでに百年の歴史がある「西洋と中国はどこで分岐したのか」論の末流。
分岐点は意外と最近、それも西洋の僥倖によるところが大きいというポメランツ以降の論調。
元が人種差別意識も背景にあったことの反動か、ややもすると中国信奉が過ぎる部分も見られる。
それに対する更なる揺り戻しというのが本書の位置づけで、直近の潮流はそんな感じなのだろうか。

歴史の黎明期の中近東を西洋の源流として扱うのは一応間違ってはいないのだが、
西洋 vs 東洋として1万年競わせるなかで「メソポタミアは俺の陣地な」というのはちょっと厚顔か?
北西ヨーロッパ人のルーツなら縄目文土器文化がせいぜいだろ、とイラっとくる部分がないでもない。

いずれにせよあれこれ指数の話をしているが、実質的には先に結論(ポメランツ反論)ありきだろう。
個人的な考えとしては、西洋から産業革命が生じるのは必然だったとは言えないにしても、
東洋から産業革命が生じるのは学問体系等々から相当厳しかっただろうと見立てているので、
両方が伸び悩むか西洋だけブレイクスルーするかの二択であったろうとは思っている。
そんな自分からしても結論はともかく、読み進んでいてイラっとくるところがなぜか多い本だった。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.15:
(2pt)

教科書みたい

サピエンス全史→銃病原菌鉄→これ の順番で読みましたがとても読みにくく感じました。
歴史の本なのに冒頭(上巻)からいきなり作り話が入り、虚実入り混じった記述で混乱します。
その後の文章もユーモアが少なく、教科書みたいに事実が淡々と述べられていることが多かったです。
ただ、下巻にある参考文献が40ページにも渡っており、これだけの文献をまとめていることを考えると、
なかなかの本だと思います。
結局、西洋が支配しているのは地理のせい、という結論は、銃病原菌鉄と同じで、
この作者ならではのオリジナリティが少ないです。
この本で得られるものは多いですが、
サピエンス全史や銃病原菌鉄ほどのクオリティを期待しないほうがよいです。
人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.14:
(3pt)

世界史の知識がある程度頭に入っている人向けの本

世界史を勉強するために購入しましたが、次から次に提示されるエピソードを読んでいるとなんの話をしているのか訳が分からなくなります。ある程度世界史の流れが頭に入っていないと、読むの難しい本だなと感じました。比喩的な表現が多いんですが、訳者のほぼ直訳に近い文章が、さらに読み難いものにしている。英語の比喩的表現をそのまま日本語に訳しているので、奇妙な日本語が散在しています。あまりに気持ち悪い文章は英語に訳し直して理解するようにしていました。

とはいえ、最後まで頑張って読めば、とても為になる本です。世界史の知識がある程度頭に入っている人には世界の成り立ちを西洋と東洋の相関から俯瞰的に捉えられるので良い本だと思います。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.13:
(5pt)

愛知 マック

私にとっては、永久保存版。これだけの書籍は滅多にお目にかかれない。赤青の鉛筆でマークをつけ、読むたびに印を追加し、既に10回以上読んでいる。この本の優れているところは、事象を記述するだけでなく、登場人物の描写・意欲、著者の意欲・意思といったものが表れており、我々の来し方・今の立ち位置・未来の予測のヒントを示している。万人に読んでもらいたい。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.12:
(5pt)

愛知 マック

私にとっては、永久保存版。これだけの書籍は滅多にお目にかかれない。赤青の鉛筆でマークをつけ、読むたびに印を追加し、既に10回以上読んでいる。この本の優れているところは、事象を記述するだけでなく、登場人物の描写・意欲、著者の意欲・意思といったものが表れており、我々の来し方・今の立ち位置・未来の予測のヒントを示している。万人に読んでもらいたい。
人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.11:
(4pt)

先が楽しみな歴史家

著者は、スタンフォード大学歴史学教授。1960年生まれ、古代地球学文明における都市形成研究が専門の、まだ若い歴史学者。
古代に基本的な足場を置いて、全世界を俯瞰し、本書上下巻で東西文明の興亡を論ずる。
イギリス生まれの著者は、当然西欧に詳しく、まっさきに西洋について語ってゆくが、東洋への視線は強く、細やかで、非常に深く勉強・研究していることが読み取れる。
なぜ、世界が現況のような状態にあるか、さらに未来はどう進んでゆくか。そのときの西洋の姿を、このように推測する、東洋は、このように歩むだろう。この興味深いテーマを、従来の歴史家とはまったく異質のツールを用いて論進する。とくにグラフを用いる手法は明快で説得力に富む。歴史学が新しい時代に入っていることが読み取れて、その意味からも必読の書と言えるのではないか。
著者は、気むずかしく、堅苦しく取り組んではいない。ときに余計なところで饒舌であり、楽しんで書いている。意欲的で活発な思考力が感じられる故に、この先に発表されるにちがいない著書に注目したい。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.10:
(4pt)

下巻では未来へ

著者は、スタンフォード大学歴史学教授。1960年生まれ、古代地球学文明における都市形成研究が専門の、まだ若い歴史学者。
古代に基本的な足場を置いて、全世界を俯瞰し、本書上下巻で東西文明の興亡を論ずる。
イギリス生まれの著者は、当然西欧に詳しく、まっさきに西洋について語ってゆくが、東洋への視線は強く、細やかで、非常に深く勉強・研究していることが読み取れる。
なぜ、世界が現況のような状態にあるか、さらに未来はどう進んでゆくか。そのときの西洋の姿を、このように推測する、東洋は、このように歩むだろう。この興味深いテーマを、従来の歴史家とはまったく異質のツールを用いて論進する。とくにグラフを用いる手法は明快で説得力に富む。歴史学が新しい時代に入っていることが読み取れて、その意味からも必読の書と言えるのではないか。
著者は、気むずかしく、堅苦しく取り組んではいない。ときに余計なところで饒舌であり、楽しんで書いている。意欲的で活発な思考力が感じられる故に、この先に発表されるにちがいない著書に注目したい。
下巻の最後に「社会発展指数について」補遺として置かれている。重要な部分。
人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.9:
(4pt)

社会の発展とは

社会発展指数なるパラメータを用いて、これまでの西洋と東洋の発展をひもとき、そしてこれからの未来を考えたたいへんな労作です。著者の観点は、ふつうの世界史とは異なるため、拒絶感を持つ人もあるでしょうが、とても興味深く読了しました。西洋と東洋の比較との視点で記されていますが、それよりも、なぜ社会発展指数が頭打ちになっていたのか、そして、産業革命によってどうやってその上限が突き破られたのか、その考察には、驚きました。エネルギー使用の増加がなければ、人間は、なにも生み出すことができません。そのエネルギーが限られると分かった現在、これからの未来に向けて考えていかなければならないことはいろいろとあります。また、産業革命、ITの発展により、社会は大きく変わりました。そしてこれから迎えるであろう人工知能の発展が、どのように社会を変えるのか。内容は重厚ですが、著者の語り口は柔らかく、示唆に富んだ一冊です。ただ、上下巻を通して読むのには疲れました。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.8:
(4pt)

人類史と世界史の復習。

「銃、病原菌、鉄」に続く、人類史の本。
「銃・・」は主になぜ西洋が発達したかということが書かれていましたが
この本は「西洋」と「東洋」の発展の進捗について考察し
「なぜ西洋が、今世界を支配しているのか?」を
古代から現代まで延々と「西洋(の文明)コア」と
「東洋(の文明)コア」の発達を比較していきます。
世界史にうとい私にとっては、面白い本でした。
また、地球の気候変動(プチ氷河期)による
人口減少の影響なども考察されています。
今後の世界については「チャイナメリカ」(中国とアメリカの経済依存)が
どうなっていくのか?
中東から南西アジアにかけての「不安定の孤」が
地球温暖化の影響によって、収穫量が減り
より不安定化するのではないか?と。
それを防ぐのは「考古学」と「テレビ」と「歴史」。
過去に学ぶことの大切さを改めて感じました。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.7:
(1pt)

やはり西洋人の偏見に満ちている。

この種の類書に見られるように、膨大な資料を読み込んだ結果と著者の博学を駆使して大胆な推論を展開している。 比喩とレトリックで満ち満ちている。 ハードカバー上下2巻を合わせて800ページ余りの訳書を訳した翻訳者の労は多としますが、内容は欧米人特有の偏見に基づいていると感じます。  一見西洋文明の終焉を示唆しているように記述されてされているかのように見えるが、実の所はその優位性を誇っていることを隠している著作である。  しかし読んで損はない、多面的な見方があると確認するためにも有益であると考えます。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
4480861270
No.6:
(5pt)

これはすごい。初めて”分かった”と思えた歴史の本。

タイトルにあるシンプルな問いに対する、あらゆる角度からの学際的な簡潔な、必要十分な!解答。 本当に素晴らしい。 こんな教授学部長に教わることができるスタンフォード大学の学生はそれは値打ちある。 僕もこういう説明ができる人になりたい。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
4480861270
No.5:
(2pt)

人類誕生以来の壮大な東西文明変遷のドラマである。

人類誕生以来の遠大なドラマを読んだような気分であり、読み応えがあった。 ただし、文章に「もしも・・・」の仮定や、蛇足が多く、また頻繁に東洋と西洋および現代との比較が多く、慣れないと極めて読み難い。  仮定や冗長を削除して、終始一貫した簡潔な文章にすれば、上下2巻は1巻に纏まるであろう。 仮定や比較は、章を改め、巻末または別巻にすべきであろう。 さらに、この本は、上下2巻で、7000円超の価格は、学生や社会人にとって、容易には手が出せない。 全面改訂の廉価版が望まれる。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
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No.4:
(3pt)

読後感

人類の発展に対する見方が私とは少し異なるし、私の考えを変えるほどの根拠は見られなかった。 しかし私の知らない知識をいろいろ与えてくれた。 いずれにしても下巻も購入したい。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
4480861270
No.3:
(3pt)

西洋史しか知らない学者が東洋を語る

経済力や軍事力を(この人の主観で)数値化して西洋と東洋がどっちが優勢であったかを比較するというインテリおっさん
の飲み屋の与太話みたいな内容の本です。
作者は古代オリエントの考古学を専攻してる人らしく、この本の最初の頃の、古代技術が東洋へ伝播していくくだりは
そこそこ面白いのだが、それ以降の東洋史に対する無知は目を覆わんばかりです。「晋を建国したのは曹操」とか
その辺の歴史小説好きのおっさんが読んでも腹立てるような無知のオンパレード。
正直言って、この人の東洋史観のほとんどはジョセフ・ニーダムだけに依拠してるようにしか思えない。
巻末に膨大な参考文献があるけどハッタリに近いのでは?
まあ、別に取り立てて特異なことは言っておらず。中世後期のみ東洋が西洋を上回ってるが、基本的に西洋の方が優位
というアタリマエのことを言ってるだけなので、まあ結論自体に反論はしませんが。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
4480861270
No.2:
(4pt)

長い歴史をたどることにより、未来が見えてくる。

本書は副題にあるとおりなぜ西洋が世界を支配しているのか、という疑問点から出発し、考古学的視点から始まり東洋と西洋の歴史を詳細に辿り、未来までも展望する大作である。

本書でユニークなのは、著者が独自の指標〜社会的発展指数、すなわち「エネルギー獲得量」、「都市化」、「情報技術」、そして「戦争遂行力」を使って、紀元前の時代から東洋と西洋を対比しながら、時代ごとの西と東の発展度合いが視覚的に対比されて、とても理解しやすくなっている。

 特に本書の独自性が発揮されているのは、西洋史以上に東洋特に中国の歴史についての詳細な分析がなされている点である。武則天、玄宗帝、宗代の印刷機や水力の織物機、製鉄所、鄭和の航海、朱子学などなど、著者の造詣の深さが感じられる。
 残念ながら日本は、近代以前はほぼ中国と同列(というより中国の周辺国)で扱われているが、もともと社会発展指数が高かったために、急激な産業化を果たせたのだとしている。

結論的に言えば、東洋と西洋は、特にここ5000年は、過去似通って推移していることを本書は示している。
ここで、著者は幾つかの歴史上のIFを示す。
宗の時代に鉄鋼業が発展していた開封が女真族から守られていたら、また小さなテムジンが死んでいたら、さらにローマ帝国が生き延びて宗代と同じような産業革命が起きていたら~などなど。
しかし著者は、どのような歴史的偶然があったとしても、恐らくは今と大きな違いはないだろうと断じている。

最終章で、これから世界はどこへ向かうのか、興味深い考察がなされる。
一つは、アシモフの描いたSF「夜来たる」の世界である。
すなわち、ローマや宗代と同じ、今や新たな硬い天井に到達しつつあるとするものである。
その要因として、地球温暖化、化石燃料の枯渇、そして戦争の3つをあげる。
もう一つの未来は、カーツワイルの「特異点」である。
再生可能エネルギーや、食糧革命、ロボット工学による安価な労働力、ナノテクノロジーによる環境浄化など技術的特異点が進み、問題解決をしてさらなる高みへと進むとする。

最後に、ジャレド・ダイアモンドが「文明崩壊」で示した、世界を破綻から救うかもしれない二つ〜「考古学者」と「テレビ」に加えて、「歴史」がもう一つの救世主となるとし、筆を置いている。

長い歴史をたどることにより、未来が見えてくる。
世界を、「夜来る」から「特異点」へ転換させるために、歴史を紐解こうと我々に語りかけてくれる。
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)Amazon書評・レビュー:人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)より
4480861270
No.1:
(4pt)

長い歴史をたどることにより、未来が見えてくる。

本書は副題にあるとおりなぜ西洋が世界を支配しているのか、という疑問点から出発し、考古学的視点から始まり東洋と西洋の歴史を詳細に辿り、未来までも展望する大作である。

本書でユニークなのは、著者が独自の指標〜社会的発展指数、すなわち「エネルギー獲得量」、「都市化」、「情報技術」、そして「戦争遂行力」を使って、紀元前の時代から東洋と西洋を対比しながら、時代ごとの西と東の発展度合いが視覚的に対比されて、とても理解しやすくなっている。

 特に本書の独自性が発揮されているのは、西洋史以上に東洋特に中国の歴史についての詳細な分析がなされている点である。武則天、玄宗帝、宗代の印刷機や水力の織物機、製鉄所、鄭和の航海、朱子学などなど、著者の造詣の深さが感じられる。
 残念ながら日本は、近代以前はほぼ中国と同列(というより中国の周辺国)で扱われているが、もともと社会発展指数が高かったために、急激な産業化を果たせたのだとしている。

結論的に言えば、東洋と西洋は、特にここ5000年は、過去似通って推移していることを本書は示している。
ここで、著者は幾つかの歴史上のIFを示す。
宗の時代に鉄鋼業が発展していた開封が女真族から守られていたら、また小さなテムジンが死んでいたら、さらにローマ帝国が生き延びて宗代と同じような産業革命が起きていたら~などなど。
しかし著者は、どのような歴史的偶然があったとしても、恐らくは今と大きな違いはないだろうと断じている。

最終章で、これから世界はどこへ向かうのか、興味深い考察がなされる。
一つは、アシモフの描いたSF「夜来たる」の世界である。
すなわち、ローマや宗代と同じ、今や新たな硬い天井に到達しつつあるとするものである。
その要因として、地球温暖化、化石燃料の枯渇、そして戦争の3つをあげる。
もう一つの未来は、カーツワイルの「特異点」である。
再生可能エネルギーや、食糧革命、ロボット工学による安価な労働力、ナノテクノロジーによる環境浄化など技術的特異点が進み、問題解決をしてさらなる高みへと進むとする。

最後に、ジャレド・ダイアモンドが「文明崩壊」で示した、世界を破綻から救うかもしれない二つ〜「考古学者」と「テレビ」に加えて、「歴史」がもう一つの救世主となるとし、筆を置いている。

長い歴史をたどることにより、未来が見えてくる。
世界を、「夜来る」から「特異点」へ転換させるために、歴史を紐解こうと我々に語りかけてくれる。
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