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No.1
グラスホッパー
伊坂幸太郎
外は油でしっかり、中はプリンでとろり
外は油で揚げたようにコーティングされていたけども、中はプリンのようにとろけやすい、そういう意味ですね。
若干いいように聞こえる比喩ですが、設定という外枠がしっかりと、まとまりのある、いわゆる殺し屋という残虐性の高い、誰もが避けようとする設定になっていて、それを親しみやすく、軽快なテンポのタッチで描く伊坂幸太郎先生の思慮深さが、読者を魅了しているな、と感じました。
ですが、蓋を開けてみると、登場人物ごとの中身が甘い気がする。プリンのように……。もう少し行動のきっかけや三人の主人公との関わりを大事になっていれば、読後もバッドエンドのようなハッピーエンドのようなほかの物語とは少し違った余韻に浸ることができたはずです。
次回作のマリアビートルでそれらを補った作品になっていて、伊坂幸太郎先生の実力は計り知れないな、と心に響きました。
読んでみてはいかがでしょうか。