死を騙る男
評判
死を騙る男の評価:
3.67/5点 レビュー 3件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1〜2 1/1ページ
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死を騙る男の評価:
3.67/5点 レビュー 3件。 - ランク
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「彼は約束の時間ぴったりに現れた。」
原題「訪問」。時間通りに男が老女を訪れる。癌におかされ余命いくばくもな
い彼女に死の儀式を行うことから物語は始まる。彼の行為は老女を苦しませる
ことなく淡々と進む。しかし残された遺体は無残なまでに損壊されていた。
死神のごとき容姿をした男は一人の殺人を終えると、次の犠牲者(希望者)に
向かって殺人行を続ける。
舞台はカナダの西にある小さな町。地元警察署は署長代理の女性、ヘイゼル
61歳が全責任をまかされている。
小説前半では死神のような男が、惨忍な方法で犠牲者を淡々と殺し続けていく
のだが、物語が何故か遅々として進まない。
捜査が進まないのだ。小さな町で12人しか署員がおらず署長もヘイゼルが代理
を務める劣悪な環境の捜査陣。ヘイゼルも背中に障害をもち、鎮痛剤とアルコ
ール漬けに加え生活環境も離婚と老いた母という重い現実を背負っている。
捜査進行をはばむようなカナダの重い冬の寒気が全体をおおっているかのよう
だ。死神のような男はただのサイコパスではない。殺人を犯さざるをえない暗
い心の底には宗教的な動機がみえ隠れする。
死神が狙う残り数人の犠牲者のうち次のターゲットは女医であった。宗教が科
学と対峙するとき滞っていた物語が爆発する。すべてが暴かれる過去の殺人の
残虐さが腐臭とともに飛び散る。心身ともに痛めつけられたヘイゼルと「呼ば
れ来し者」として誤ったプライドをもつ死神サイコパスとの対決にいたるまで
重厚、異形な警察小説である。