飢える骸



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    初公開日(参考)2025年12月
    分類

    長編小説

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    飢える骸 (角川書店単行本)

    2025年12月22日 飢える骸 (角川書店単行本)

    関西を拠点とする日本最大の暴力団・游永会。その最大派閥の若頭・瀬良は、兄弟分の森山とクーデターを画策する。それは、かつて「骸」と恐れられた元殺し屋・巌が率いる巌組と游永会の抗争激化を煽り、その混乱の中で両組織のトップを殺害するというもの。しかし瀬良たちが動き出す直前、巌は游永会組員を自発的に襲い始める。巌を抗争に向かわせる手間が省けたと喜び、これを利用しようとする瀬良と森山だったが、巌は二人の想定を遥かに超えた“化物”だった......。 (「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (4pt)

    瞬発力を見せつける暴力の美学と抒情

    「闇夜の底で踊れ」を読んだのは、2019/2月。かつて私は主人公のギャンブル描写からあまりにもスケールの小さい遊び方に失望して、耳のいい極道小説と言うよりは、「ヴァーチャルな上方やくざ青春小説」としてレビューしました。
     今回、増島拓哉氏の「飢える骸」を読み終えましたが、何かが爆ぜたのか小説世界が変わりましたね。
     日本最大の暴力団、「游永会」とそこを離脱した「巌組」の抗争という背景の下、「游永会」に娘を殺害された七十五歳の「巌組」組長、「飢える骸」、巌が「游永会」に反旗を翻します。そのストレートな闘争がスピーディに描写されています。オリジンを追求するとダシール・ハメットであったり、黒澤明の「用心棒」へと辿り着くわけですが、今回は見事に換骨奪胎された或る種の成果を受け取ることができます。
     主人公、巌、「游永会」幹部、森山と瀬良、警察組織、監察官出身の外注戦闘員、砂川たちの優れた瞬発力を見せつける暴力の美学。私は暴力を讃美するものではありませんが、「ワイルドバンチ」の抒情はスローモーションで迸る<血>によって醸し出されることを良く知っています。
     嫌いなこともあります。前半、末端のヤクザたちも含め(笑)、名前によって登場人物たちを特定していますが、キャラクタリゼーションを端折っているような印象があります。書き込むとページ数が増えることになりますが、より物語世界が深まると思えます。「終の市」を最後にドン・ウィンズロウがもう書かないと聞いていますので、彼の世界に近づける(かもしれない)我が国のスリラー作家として人物たちを浮き立たせてほしいと願っています。
     或る人が生き残りました。その人が今後のシリーズへと導いてくれるのでしょうか?そう願ってやみません。
     最後に繰り返します。何かが爆ぜたかもしれません。
     ◻︎「飢える骸」(増島拓哉 角川書店) 2025/12/23。
    飢える骸 (角川書店単行本)Amazon書評・レビュー:飢える骸 (角川書店単行本)より
    B0G5LWTKDM



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