京都に咲く一輪の薔薇
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2022年11月刊。最近この作家のことを知って、「優雅なハリネズミ」「至福の味」と読んで、これが3作目。なかなか美しい小説。たぶん原文のフランス語が美しいから永田千奈さんの訳文も美しいのだろう。一度も逢った事のない日本人の父親の死を知り、その遺言執行・相続のためにフランスから京都を訪れた主人公の女性ローズ。父の事業アシスタントの男性と京都の寺院巡りをするうちにそれまで凍り付いていた心が次第に解きほぐされ・・・といった流れだが、前作「優雅なハリネズミ」でのジャポニズム憧憬にもはっきりと表れていたように、著者はかなりの京都好きのようで(2008~9年に在住)、詩仙堂・銀閣寺・南禅寺などの庭園を散策したりの描写に「京都愛」が溢れ出ているし、日本文化への造詣の深さはあちこちに滲み出ている。また、やはり彼女は食べ物の描写が好きだ。様々な食事のシーンは具体的で特に生き生きと描かれている。そして花の描写も細やかで情緒たっぷり。これを読んで京の侘び寂びの世界に身を浸したくなってくるのは私だけではないだろう。 ちなみに原題は"UNE ROSE SEULE"~ただ「一輪の薔薇」でもあり「孤独なローズ」とのダブルミーニングでもあるだろう。明らかに女性が好みそうな小説であった。おっさん向きではない~(*^^*) | ||||
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11月2日。本書とは一切関連なくメキシコの「死者の日」に読んだ本として記憶されます。 「京都に咲く一輪の薔薇 "Une Rose Seule"」(ミュリエル・バルベリ 早川書房)を読み終えました。 あらすじを書くことはとても空虚なことですが、でも書きましょう(笑)。日本人の父親に一度も会ったことがないフランス人女性・ローズが、京都へとやってきます。ローズの父親が遺した家を訪ね、父親に縁のあった人たちと出会い、家を守るサヨコ、ベルギー人のポールらに導かれるようにローズは京都の寺、庭園、その佇まいの中を巡り歩きます。彼女は自殺した母親の存在を含む自分の過去と向き合いながら、アイデンティティを確認するように、或いは確立するかのようにこの国(日本)の文化の持つ<円相>を静かに語りかけてくれます。 この世は閉じているのに開いていて、死んでいるようでいて生きている場所であり、彼女にとっての京都は未知の素材(マチエール)に満ち満ちていて、それらがナンテンの実のように死と共にある宇宙としてそこにあります。そして実のならない宇宙もまた併存しています。その得も言われぬ曖昧さの中にこの小説の持つ<良きもの>を感じとることができました。ただ只管読み続けたいと願うその心地よい翻訳のリズム。 章立てそれぞれの最初に短いエピソードがインサートされています。それぞれの出典がとても気になりましたが、訳者あとがきを読ませていただき驚きました。何故かは、まあお読みください。 一輪の薔薇(ミュリエル・バルベリ)が書いた京都に咲く一輪の薔薇。 | ||||
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