よむよむかたる
発行日:2024年09月19日
出版社:文藝春秋
ページ数:320P
あらすじ
わたしは、この「ちいさな集まり」の一員になったときの母が、もともとの母であるような気がした。母親とか、五女とか、ドコソコの奥さんとかの役割をとっぱらった母というひとが出現したようだった。へんてこな言い方かもしれないが、そこでの母はたいそうフレッシュな老人だった。いきいきと目を輝かせ、みずみずしく笑っていた。これから始める小説で、わたしがまず書きたいのは、「ちいさな集まり」だ。そこでフレッシュな老人たちと少し疲れた若者が顔を合わせる。やがてどちらも「もともとのすがた」で語り合うようになるはずだ。本を読み、人生を語る。人が生のままの姿になり言葉が溢れだす。そんな幸福な時間をぎゅっと閉じ込めたい、という願いが込められた物語です。