時雨のあと (新潮文庫)
発行日:1982年06月25日
出版社:新潮社
ページ数:290P
あらすじ
時代ものの小説を書いていると、とかく筆が江戸期にむかい、またその時代を小説にするのが一番面白い。――著者江戸の市井に咲く小哀話七編。時代小説の名手の世界を十二分に堪能できる傑作短編集。身体を悪くして以来、すさんだ日々を過す鳶の安蔵。妹みゆきは、兄の立ち直りを心の支えに、苦界に身を沈めた。客のあい間に小銭をつかみ兄に会うみゆき。ふたりの背に、冷たい時雨が降りそそぐ……。表題作のほか、『雪明かり』『闇の顔』『意気地なし』『鱗雲』等、不遇な町人や下級武士を主人公に、江戸の市井に咲く小哀話を、繊麗に、人情味豊かに描く傑作短編全7話を収録。