ハミングバード
発行日:2019年02月25日
出版社:惑星と口笛ブックス
あらすじ
大江さんは判で押したような日々を送っている。六時に起きて、洗顔、朝食、新聞を読み、身支度を整える。背筋を伸ばしスーツ姿で何かの本を朗読した後、出勤する。休日は服装が私服に変わるだけで時間やリズムに変化はない。幽霊の割にずいぶん律儀なことだ。私のことは見えていないらしい。トイレや洗面所のドアを開けた際、出合い頭にぶつかりそうになることがあるけれど、互いの体は接触することなくすり抜けていく。驚くのはこちらばかりで、彼は一切ペースを崩さない。シャワーを浴びている最中、無造作に入って来られたときは悲鳴をあげた。