ベル・カント (ハヤカワepi文庫)
発行日:2019年10月17日
出版社:早川書房
ページ数:528P
あらすじ
その夜、南米にある小国の副首相公邸では、日系大企業「ナンセイ」の社長ホソカワの誕生パーティが開かれていた。ホソカワたっての希望で招かれた世界的オペラ歌手ロクサーヌ・コスが6曲目のアリアを歌い終えた瞬間、屋敷の明かりが消え、武装した男たちが乱入してくる。公邸は、人民の解放を求めるゲリラに占拠されてしまったのだ。交渉が膠着状態に陥り、軟禁生活が長引くにつれ、立てこもり現場である公邸には安らぎのような空気が流れはじめる。幽閉される人質と監視するゲリラの間には不思議な絆が芽生え、彼らは、このまま外界と隔絶された世界で生活を続けられたらとすら願うようになる。だが、この穏やかな日々が永遠に続くはずはないのであった……。コミュニケーションのあり方、芸術の持つ力、そして人間の根源的な愛を問う、オレンジ小説賞、PEN/フォークナー賞受賞作。