遠い椿―公事宿事件書留帳
発行日:2009年04月23日
出版社:幻冬舎
ページ数:318P
あらすじ
金物問屋「十八屋」の隠居・お蕗は、定期的に野菜を売りにくるお杉の姿が、ここ七日余り見えないことを案じていた。二十歳の頃、駆け落ちに失敗し、生き別れとなった平蔵の面影を、どことなく感じさせるお杉。むろん思い違いに決まっているが、お杉の気立てのよさを見るにつけ、叶わなかった男への想いで胸が痛むのだった。はたして、久しぶりに姿を見せたお杉は予期せぬことを口にする。それは、お蕗に思いもよらない出来事をもたらす端緒となった…。四十年後の運命の巡り合いは、老女の人生に何を刻んだのか。公事宿の居候にして剣客・田村菊太郎が、年老いた女主人の切ない因縁に向き合う表題作ほか全六編を収録。