僧侶連続殺人事件(上): 夏光一郎の試練
発行日:2013年08月10日
出版社:greenBS
ページ数:99P
あらすじ
三重県湯ノ山温泉、伊豆半島小金崎海岸、中国山地の三次市、愛知県尾張旭市で、一三年間にわたり、寺院の僧侶が殺害される事件が連続して起きた。事件は、寺院の僧侶が刑事または民事の事件か不祥事を起こしたのちに起きた。そのため、各地の警察の捜査は、犯罪または不祥事を犯した僧侶の人間関係(怨恨)に絞られたのも、無理からぬところであった。それが従来の捜査の定石だった。各県警は過去の類似の事件に関連性があるのではないかと推測しつつも、具体的な捜査の展開にまでは至らなかった。捜査には県境の壁という厳然たる限界があった。五つの事件には、殺害方法、被害者の身辺の状況が相互に関連がなく、殺害の動機が独立していたので、関連を見出そうという試みはあったものの、事件は別々に扱われ、犯人の手がかりすらない状態だった。それぞれの地域の捜査担当県警では、伝統的な捜査方法を捨て切れなかった。犯人がしばしば現場に残すローマ字の「刻印」も注目されなかった。最初の四つの事件は、早くも迷宮入りの様相を呈していた。しかし僧侶による保険金詐欺事件が鎌倉で起きたのちに、その僧侶が駿河湾小金崎海岸で謎の水死体で発見された。夏光一郎軽侮はこれを単なる水死事件とは考えなかった。そして過去の事件を洗い出すうちに、殺害方法が異なるものの、五つの事件に共通する僧侶の犯罪・不祥事に注目するようになった。そして広域捜査を立ち上げる。事件の展開は(下)へと続く。